「青の炎」(監督:蜷川幸雄、原作:貴志祐介、2003)

まずね、いい話にアイドル使うな!と。・・・いやね、二宮和也松浦亜弥もいい演技してました。小向美奈子にしか見えない鈴木杏も、壮絶な死に方した山本寛斎も。“アイドル映画”と見られがちなところの意表をついていい映画であることや、彼ら若手の演技(というかむしろ存在感そのもの)は高い評価に値します。だがね!この映画見た人って、ホントに主人公の苦悩を感じられたのか?!私には理解出来なかったゾ!
原作から入った私としては、全体的に、ストーリーのダイジェスト版を見ている感じでした。このシーンはこういう映像にしたのか、みたいな、乾いた印象なんです。あれだけ長い話を2時間ぐらいにおさめるのはムリだった、とかいっちゃうと本末転倒なのでアレなんですが、それにしても主人公の“苦悩”がね、殺人の動機が伝わってこないのですよ。17歳の高校生がなぜ“悲しい殺人者”になったのか、そこに至るまでの思考やそうしてからの悶絶がいやにあっさりしてて。
主役2人が悪いんじゃないんです。悪いのは制作者側。キャスティングからしても、人気アイドルを抜擢したことで脚本上の縛りがあったことでしょうし、作品のコアな部分に関わる重要なシーンが削られてたし。二宮でいいから「いいだろ?」っての見たかったな・・・あややはどんな顔をしたんだろ〜?・・・今時「いいだろ?」はないでしょ・・・。
映画「青の炎」、ズバリ最大の見どころは、ジャニーズ二宮和也のシャワーシーンです!

青の炎 特別版 [DVD]

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