「青の炎」(貴志祐介、角川文庫)

すごかったですよぉ〜〜高校生の完全犯罪。母親が10年前に結婚して離婚したろくでもない元義父をどうにかしようと労したけどどうにもならくて、追い詰められた主人公が義父から母と妹を守るために壮大な謀(はかりごと)を練るお話です。こんな奴を殺すのにバレちゃしょうないとばかりに様々な殺害方法を考えて実験・実験を繰り返す。考えは論理的で尚且つ芸が細かいのです!そのことは、主人公が実際に元義父を殺すのが文庫本約500ページ中210ページ目ぐらい、ってところでよくわかると思います。本の半分は謀→実験→工作の繰り返しだからね。
高校生である主人公がアリバイ工作や殺害計画、凶器の処理など大人でもやれなさそうな犯罪をせざるを得ない、そういう状況に追い込まれたことに読者は涙だそーですが、㊥山ははっきりゆって泣き所がわかりませんでした。少年法なら酒鬼薔薇でも7年で仮釈、このケースは情状酌量が十分働くんじゃないかと。常に最悪のことまで考えるのは悪いことじゃないですが、この主人公はペシミストすぎる気がして、その辺は子どもなんだなぁと思いましたね。
しかしながらコドモでもですね、こんな高校生、ホントにいたらすごくイヤだ。学ラン着たかわいい男子高校生でもちょっとイヤだ・・・。

青の炎 (角川文庫)

青の炎 (角川文庫)