「マルキ・ド・サド 悦楽禁書」(監督:グィネス・ギビー、1997)

サディズム”の語源となったマルキ・ド・サド、実在するサド公爵のお話。かねがね手を出したいと思っていたものです。自伝や伝記を知らないので事実と同じか違うかはわからないですが、多分パロディっぽい感じなんでしょう。
映画は革命直前のパリが舞台で、貴族も平民もしっちゃかめっちゃか。濃い顔のイケメン・サド公爵は、お金持ちの貴族と結婚して毎日娼館に通うなどやりたい放題なのです。ちなみにこの娼館のシーンはどこかで見たことあるなぁと思いましたら、キューブリックの遺作「アイズ・ワイド・シャット」の乱交シーンでした。サド公爵自身は直にエロいことはあんましせず、さすが“サディズム”の語源!と誉めたくなるくらいの歪んだ性癖を見せ付けてくれています。妻の前で使用人に手を出してみたりね、付き人と女をやらせてそれをニヤニヤ見てたりね、怒鳴ってビビらせてみたりね。とは言ってもこの映画で描かれている核心は題材の一つである“事件”だけで、サド公爵そのものの表現は薄い気がしました。わかったようでわからない、みたいな。
マルキ・ド・サド 悦楽禁書【字幕版】 [VHS]