「嗤う伊右衛門」(監督:蜷川幸雄、原作:京極夏彦、2003)

顔の半分が醜くただれたあの“お岩さん”がでてくる有名な怪談「四谷怪談」がモチーフ。それを京極夏彦が小説『嗤う伊右衛門』(角川文庫)でアレンジしたラブストーリーです。
そう、ラブストーリー。ホラーや歴史モノなんかでは全然なく、とても美しいラブストーリーでした。ホラーがベースなので多少そのような雰囲気はあって、例えばやけに暗い屋内だとか、やたらロングで撮ってたりとか、ドキドキしながらもそういうつもりで見てると、最後の最後でドギモを抜かれます。いやまじで。“伊右衛門”が、それはそれは幸せそうに“嗤う”んです。ここの演出は見事でした。
もしも私が映画評論家なら「日本人に見て欲しいの日本映画」と人にオススメするでしょう。日本映画ならではの独りよがり感みたいなものもあるけど、やはりカメラワークが独特で見せ方が美しく、エンターテイメント性も備えた日本映画であると思います。老若男女問わずおすすめよ!
キャスティング勝ちかと思ってしまうほど、キャストもかなりよかったと思います。岩に小雪、こいつはもぅ“醜いお岩”なんかじゃなくて、顔がただれてても正面から見ても完璧に美しい岩でした。(私には醜く見えない!どうしよう!と思いましたよ〜)その夫・浪人の伊右衛門唐沢寿明。そして2人にワナをしかけるエロ悪代官が椎名桔平。ヨダレが垂れるほど豪華じゃありませんか!

嗤う伊右衛門 [DVD]

嗤う伊右衛門 [DVD]