夏の終わり

玄関のドアを開けたらギャッと音がしたので見てみると、アイツがいた。
あおむけになっていた。
無防備に腹を見せ、残り少ない力でわずかに手足(?)を動かしていた。
大人になったら滅多に見ないので、びびるびびる。


半日ぐらいして処分しようとアイツの上にティッシュをかけたらまだ存命中だったらしく、ティッシュを手足(?)でつかまれた。
動かないけど生きていた。
だから少しでも長く生きてればいいと思って朝まで放置した。


翌朝、やはり動かなくなっていた。
ティッシュでつつんで小さな箱に入れ、燃えないゴミに出した。
土に還してあげられなくてごめんね、都会だからごめんね、と思いながら。


この時期は必ずといっていいほど瀕死のアイツをみる。
中二病のようなやるせない切なさが胸を侵食していく。
夏の終わりだゼ!とおもう。